ウェルスナビ(wealthNavi)を投資家目線でわかりやすく解説する。手数料やドル建てについての個人的な感想

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東京で一人暮らしをする早稲田大学生。来年からSE。
一人暮らしで得たライフハック、株やお金、ビジネスに関する話題が得意。特に就活に関して自信あり。レビュー記事以外は6000字以上が多いのでお時間がある時にどうぞ。

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基本的に運用は完全放置に近い。だから運用の楽しさは無い。もちろん、金融知識やリテラシーは受け身では全く身に付かない。逆に資産運用だけが目的であれば最適。非常に使いやすい。

このような印象を受けました。

この記事では、投資未経験者をメインターゲットに体系的にまとめますが、既に開設した人にも知ってもらいたい内容も含めていますのでぜひ。

ウェルスナビの簡単な仕組みの解説

入金すれば、世界中の株、債券、金、不動産などに自動で分散投資をしてくれる。自動で積み立て投資もしてくれる。時間の経過とともにポートフォリオのバランスが崩れたら、自動で売ったり買ったりして整えてくれる。

という自動万歳のロボアドバイザー。ここまで何もしなくても良い資産運用はロボアドバイザーが出てくるまでは存在しませんでした。

例えば一般的な「投資信託」は分散投資という意味では近いかもしれませんが、積み立てするのであれば毎回自分でタイミングを見計らって投資する大変さがありますし、そもそも無数にある投資信託から選ぶのも自力ある程度の金融リテラシーが無ければ、手数料だけ高くて運用成績のたいして良くない投資信託を選んでしまうかもしれません。ウェルスナビの一つの特徴である海外ETFを購入しようと思うと、わざわざ日本円をドルに交換したりと面倒。

文章からですら難しさが感じられる作業を全て自動で行ってしまうウェルスナビの凄さが理解出来たでしょうか。

自動であることは投資において、更に付加価値を生み出します。それはつまり、心理的なミスジャッジを防ぐという点。ブレグジットやトランプ相場、北朝鮮緊迫といった、いわゆる地政学リスクは相場を混乱させます。相場がどちらに動くかの正確な判断はプロの証券会社でも正直難しいです。このような状況を判断するには素人には困難。心理的不安は相場感を大きく狂わせ、例えば

投資家
「絶対に売らない」と思っていた株を慌てて売ってしまい後から後悔した

なんて失敗は投資家なら誰しもが経験したことのあるはず。だからこそ、心理的要素を一切排除したロボアドバイザーは非常に優秀なのです。

手数料は一見高いが、視座によっては安い。完全自動を考えると相当良心的

3000万円までなら手数料は預けた額の年率1.08%。3000万円を超える分年率0.54%の手数料。日割り計算ですので、例えば100万円を投資した場合は100万円×1.08%÷365日=30円/日ほどの手数料。もちろん、その日の時価額が計算式の元になるため厳密には誤差がでますが。

自力で投資を行うことの出来る投資家からすれば

投資家
信託報酬が1%はそれなりに高いわ

が、一番初めに口から出てくる自然な感想だと思います。自分も初めはそう思いました。しかし、ドル建てかつ海外上場ETFへの投資という背景を考えると、相当な企業努力が行われているのでは、と感じています。

ちなみに、ETFとは上場投資信託の事。「様々な企業に分散投資した、お菓子のアソートセットのような物」「特定の有名な経済指標と同じ動きをするように設定されたものが多い」という認識で充分です。

 

さて、個人が自力で海外上場ETFに投資した場合ウェルスナビの手数料の違いを考えてみます。

もし、ある1つのアメリカETFに投資する場合、大きく分類して3つの手数料がかかります。

  1. 売買手数料(片道0.45%(最低5ドル最大20ドル)。つまり買って売った場合は0.9%(最低10ドル最大40ドル)が一般的)
  2. 為替手数料(1ドルに対して往復50銭。つまりおおよそ0.5%)
  3. 経費率(年率0.04%(VTIという銘柄の場合))

1の売買手数料は名の通り、売ったときと買ったときに発生する手数料の事。0.9%と書きましたが、例えば100万円投資した場合、手数料はは上限の往復40ドル、100万円に対しては0.4%ほどの手数料になります。

2の為替手数料は、日本円をドルに変える際に発生します。皆さんも海外旅行に行く際には、空港や銀行で紙幣を交換して貰うかもしれませんが「地味に高い」と思ったことがあるのでは。ネット証券の往復50銭という手数料は、空港や銀行での換金率(3円程度)と比較するとかなり安い方です。

3の経費率は、ETFを運用する会社への手数料の事。ウェルスナビは7銘柄のETFで構成されていますが、そのうち米国株を対象にしたVTI(ある銘柄の名前だと思ってください)の経費率が0.04%。ちなみにアメリカETF全体と比較すると、0.04%はトップクラスに安いです。

ちなみに、経費率だけ色を変えましたが、売買手数料と為替手数料は売買時、交換時のみに発生する手数料であり、経費率だけ年率で毎日発生するという意味です。

具体的に、100万円を1年間、経費率の低いアメリカETFのVTIに投資した場合は0.94%程度の手数料になります。もちろん長年運用するのであれば、保有しているだけで発生する信託報酬が1%のウェルスナビは割高になるのは否めませんが、短期の運用でしたらロボアドバイザーで全てを自動で行ってくれるウェルスナビと大差はありません。ちなみに、この計算例はあくまで1つのアメリカETFに投資した場合であり、ウェルスナビのように7銘柄のETFに個人が自力で投資する場合は更にコストが膨れ上がります。また、ウェルスナビの売りの1つでもある積立を自力でやろうと思えば、半端ない手数料に。

計算式は状況によるので一概にどちらが良いとは言えない」と理解して頂けたかと思いますが、わかりやすくまとめると

投資経験の豊富な人から見れば信託報酬1%は高いと思われるが、手数料を分解して比較してみると、ロボアドバイザーで自動という付加価値が付いてこの手数料は相当頑張っている

ということ。海外ETFに分散投資している以上、ウェルスナビとしても1%は採算が見込めるギリギリなのでは。つまり、3000万以下の0.5%への手数料軽減は将来に期待しても難しいのではないかという個人的な意見です。

たとえ話として、家の水道が壊れた時、鍵を無くした時、を想像してください。業者は15分で解決して非常に高い金額を請求してきますが、かといって自分が15分で直せるかという話です。工具を揃えて、研修を受けて、といった技術代だと考えれば、「水道が壊れたときに毎回業者を呼べば済む話だ」と思える人にとっては非常に良心的な手数料設定だと思います。

ウェルスナビに組み込まれるポートフォリオの解説

詳しい投資先のETFは公式サイトのホワイトペーパーに記載がされていますが、つまりは米国株、イギリスやドイツなども含めた日欧株、中国を含めた新興国株米国債券物価連動債不動産という7つのETFから構成されており、世界中のありとあらゆる金融商品を対象とした、分散投資の分散投資というイメージです。米国株にはアップルもフェイスブックも含まれておりますし日欧株にはトヨタといった会社も含まれていると言えば少しは愛着を持てるでしょうか。どれも運用開始から10年以上経過したもので7銘柄の純資産の平均額は4,6兆円。どのETFも世界的に規模の大きい有名銘柄

分散投資の分散投資と表現しましたが、例えば世界的に景気が悪くなった場合に、全部が全部一気に下がるのであれば分散投資の意味は少ないですよね。ですから大きく3つ、株式、債券、金や不動産といったオルタナティブ、に分散投資をしている訳です。

一般的に言えば株式投資はハイリスクハイリターンに分類されます。元本が保証されているわけではないので、会社が潰れてしまえば価値が0になるからです。一方で債券は、国が発行する国債や会社が発行する社債がありますが、元本保証+低い利子ローリスクローリターンの印象を与えているのでしょう。会社が債権で得た分は簿記上でも有利子負債として扱われることから借金に近いかもしれません。株式と債券は負の相関関係があると一般的には考えられています。統計学の話になってくるため、具体的な数値を用いて話すと難解なので省きますが、「株価が上がると債券は下がる傾向にある」逆に「株価が下がると債券が上がる傾向にある」ということ。要因は無数にありますが、わかりやすい理屈を挙げると

  1. 株価が上がる=景気が良い証
  2. 景気が良いから株式がローリスクハイリターンに錯覚する
  3. 「安定したリターンが見込めるがローリターンな債権」に人気が無くなる

逆もしかり。

金と不動産は視座によって相関関係に対する意見が変わってくる場合が多いと思うので多くは述べませんが、同じような分散投資としての理由で組まれているのではないでしょうか。

リスク許容度はどのように導き出されているのか

ウェルスナビの公式ページで、あなたに最適なポートフォリオと将来の資産運用成果の予想図を無料診断することが出来ます。こういう「1分で診断出来ます」はだいたいが誇張気味で実際は5分かかったりするものですが、ウェルスナビに限っては逆に40秒で出来るという優しさ。

さて、実際に診断結果をみるとリスク許容度が1~5までで表示されていると思います。野暮かもしれませんが、ホワイトペーパーを読みつつ、どのような仕組みになっているのかを簡単に解釈してみます。

  1. 年齢が若いほどリスク許容度が高くなる
  2. 年収が高いほどリスク許容度が高くなる
  3. 金融資産が多いほどリスク許容度が高くなる
  4. 余裕資金、長期的な資金つくりを選んだ場合リスク許容度が高くなる
  5. 急落時に追加投資を行う性格ほどリスク許容度が高くなる

6つの質問データに対してウェルスナビが独自のアルゴリズムで診断しているようです。

リスク許容度が高くなるほどポートフォリオに組み込まれる株式の割合が増え、債権の割合が減る模様。年に1回程度の見直しを行う以外は、リスク許容度は頻繁には変えない方が良いとホワイトペーパーには記載があります。基本的には、宗教上の都合が無い限りはウェルスナビの提示するリスク許容度でポートフォリオを組みのが良いでしょう。

ウェルスナビの信頼性は出資元と出資額からも判断できる

特に未上場の企業価値を分析する際に役立つ観点が、その企業自体に対して誰が出資しているかという点。ウェルスナビは上記のメガバンク系ベンチャーキャピタルと日本政策投資銀行と資本提携を結んでいます。ここには記載がありませんが、SBIグループとは業務提携を結んでおり、全社から合計21億以上の資金調達をしています。ベンチャー企業に対して20億の投資は規模としては非常に大きく、期待されている証拠です。余談ですが「上場する気満々なんだろうな」と至る記述からひしひしと感じます。

倒産したら?の心配について

基本的にどこの証券会社も法律で義務付けられているためウェルスナビだけではないですが、安心して投資するためにも仕組みだけは理解した方が良いと思うので大雑把に説明します。

証券会社は顧客の保有する財産(株券や債券、現金など)に一切手を付けてはいけない決まりがあります。分別して管理してあるので、たとえ倒産しようとも、あなたの財産は全て返ってきます。もちろん、証券会社が不正して手を付けていれば事情が違いますが。もし、あなたが銀行の預金の仕組みを知らないようでしたら、ここで疑問符が付くかもしれません。

あなた

財産に一切手を付けないのは当たり前じゃないの。

実は銀行は、あなたから預かったお金を投資や融資に回しているのです。決して、あなたから預かった現金をそのまま金庫に閉まっている訳ではありません。当たり前の話ですが、何のメリットも無しに預かるだけの銀行なんて世の中には存在しません。だから極端な話をすれば、日本の大勢が一斉に「引き出したい」と思えば倒産しかねない訳。滅多なことが無い限りは倒産はしないと思いますが、もし潰れた場合は1000万円までしか補償してくれない事になっています。だから、中には証券会社の口座を安全な保管場所として利用する人もいるとかいないとか。

  1. 証券会社は預け場所としては比較的に安全
  2. 倒産しても全額返ってくるが、証券会社が不正した場合は最悪1000万まで返ってくる

簡単にまとめてしまえば、こういうこと。

「為替変動が運用成績以上に資産に影響を与える」という認識が無いのは非常にまずい

利用者の様子を見ていると「為替の変動が資産価値に与える影響を軽視し過ぎているのでは」と感じることがあります。ウェルスナビの資産運用はドル建てであるという背景を考えると

  1. 純粋なウェルスナビの運用成績はドル建てで見るべき
  2. 解約する場合は円建てで計算するべき

だと個人的には考えています。

具体的に考えます。例えば、今が1ドル110円の為替相場で11000円をウェルスナビに投資したとします。つまり、ドル建てで100ドル投資したことになります。1年後に1ドル100円になったとします。100ドルを円に換金すると10000円になります。110円で買って100円で売れば-10%近くになる訳で、長期投資での資産運用を考えると考慮しない訳にはいかない変動です。

2013年時には80円台、2015年時には120円台を付けていることからも、決して大袈裟な話をしているのではないことを理解してくださったでしょうか。ちなみに今が円高か円安かは、ある時期を切り取って相対的に言える事であり、「今が円安である」という絶対的な評価は暴力的だと思うので明言は避けます。

誤解を恐れずにわかりやすく表現するのであれば、ドル建て資産運用では「円高の時に買い円安の時期に売る」ことが大切。とはいえ、そのための積み立て投資である上、時期を待ち過ぎてもそれはそれで投資の機会損失になる事を考えれば、買う時期に関しては物凄く神経質になる必要はありませんが、「解約する時期は、為替を相当考慮するべきである」事を心の片隅に留めておいて頂きたい。

ウェルスナビの特性上、NISAが使えないのは大きな問題ではない

投資家
NISAが使えないじゃないか

NISAを正確に説明するには幾ら文字数があっても足りないですが、簡単に言えば「毎年120万までの投資で得た配当や利益は非課税にします」という仕組み。2017年12月現時点ではウェルスナビはNISAには対応していません。

が、個人的には大きな問題ではないと思っております。

というのも、そもそもウェルスナビの仕組みとNISAは相性が悪いから。つまり、ウェルスナビでは定期的にリバランスを行いますが、リバランスでは「売ったり買ったり」が行われます。すなわち、頻繁に売り買いが行われた結果、NISAの120万という上限を無駄使いしてしまう傾向にあるということ。それだけでなく、ウェルスナビ独自の機能である自動税金最適化(DeTAX)が更に売り買いを加速させていますから。だからこそ、NISAは別口座で個人的に投資する場合に活用するべきである、と個人的には考えています。

国際分散投資だから、必ずしも日本の景気と連動はしていないという認識

投資家
日本の景気が良い。日経平均株価が上がったというニュース。おかしい。ウェルスナビは上がらない。

これは八つ当たりです。そもそもウェルスナビはポートフォリオからして国際分散投資であり、日本の株はごくわずかしか含まれておりません。ですから、世界の景気と連動していると表現した方がまだ近いでしょう。何に投資をしているのかという認識はしっかりと持ちましょう。

長期目線で。短期で一喜一憂するのは間違い

1日や1か月おき

投資家
今日は1%上がった。昨日は2%も下がってしまった。

短期間で一喜一憂するのは本来の使い方ではありません。ウェルスナビはアプリもダウンロードできますが、性格によっては敢えてパソコンからのみにしておいた方が良いかもしれません。

ウェルスナビ自体が、長期、積み立て、分散投資を大切に考えている訳で、本来の使い方とは逆行しています。そもそも、運用する時間、運用知識を身に付ける時間を他の時間に当てたい訳でロボアドバイザーを利用しているわけですから、毎日の株価の変動で消耗するのは本末転倒。もしこれを楽しみたいのであれば、デイトレーダーや個別株での投資をおすすめします。

まとめ

基本的に運用は完全放置に近い。だから運用の楽しさは無い。もちろん、金融知識やリテラシーは受け身では全く身に付かない。逆に資産運用だけが目的であれば最適。非常に使いやすい。

そして最後に。

ウェルスナビは投資ですから、元本割れのリスク、つまりは損をする可能性はある、という認識は絶対に持ち自己責任で利用してください。

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東京で一人暮らしをする早稲田大学生。来年からSE。
一人暮らしで得たライフハック、株やお金、ビジネスに関する話題が得意。特に就活に関して自信あり。レビュー記事以外は6000字以上が多いのでお時間がある時にどうぞ。