
なんで?なんで?どうして?どうして?

はい。なぜなら…(ウゼェ)
面接あるある。
「面接官ってさ、「なんでなんで?」って本当にしつこいよね。」と就活生同士で話題になる事も。
しかし、逆に考えれば、ここまで深堀りを行うのだから、面接において評価の中心になっているはず。だからこそ、論理的な受け答えで面接官を納得させることが出来れば、つまりなんで攻撃に耐えることが出来れば、大抵の面接は通過します。
しかも、相手も所詮は人間ですから、大抵同じような質問、深堀のオンパレード。
だからこそ、深堀り対策=面接対策は準備次第でどうにかなる訳です。
ところで、たまに深堀りを圧迫だと勘違いする人がいますが、それは単純に「面接官が求めるレベルに自分の受け答えが追いついていない」だけ。つまり、圧倒的に準備不足。
明らかに態度が悪かったり、口調を荒げたりすることを圧迫面接と言います。
圧迫と勘違いしないためにも、深堀り対策をしましょう。
最低2回の深堀りに答えられないのであれば準備不足
深堀りで一番大切なのは、面接官の1回分の深堀り対策で満足しない事。
なぜ最低2回が大事なのか
具体例を挙げてみます。

イベントの参加希望者が多かったため、△△、□□という基準点から、参加者を絞りました。

どうしてその基準点を選んだのですか?

~という背景を考えた際に、この判断基準が最も妥当だと考えたからです。

なるほど。それは納得です。
で、終われば平和ですが、世の中の面接官は甘くない。

なるほど。しかし、その基準点に対する周りの反発は無かったのですか?全員が納得できる基準点は世の中には無いと思いますが、どのように対処したのですか?
と聞いてきます。
皆さんも日常会話の中で、1往復の受け答えで納得する機会は滅多にないのではないでしょうか。
しかも、就活において深堀の相手は、こちらが「しっかり考えて行動したのか」を図るプロですから。1回の受け答えで納得してくれるはずがありません。
一方で、質問の内容、面接時間、選考状況(1次面接か、最終面接か)にもよりますが、2連続の深堀りに、100%の内容で論理的に答えられれば、ほとんどの面接官は納得して次の質問に移ってくれます。
が、あくまでこれは最低限。
最低2回と言いましたが、面接時間が長ければ長い程、人気企業であればある程、当然、深堀もきつくなりますので、大手企業もしくは、かなりイケイケのベンチャー企業を狙う際には3回以上は耐えられるように準備した方が良いかも。
出来れば、自分の限界まで、

もうこれ以上は無理。どんなに詰められても「なぜと言われても、これ以上分解したら言語化出来ません。」と面接官に半ギレせざるを得ない。
というところまで細分化してみましょう。
就活強者の戦略を真似する必要はない
ところで、就活の話になると「面接対策に丸暗記なんてありえない。準備なんてしなくとも、ありのままの自分を受け入れてくれる企業で働こうよ」という風潮がどこからか流れてきますが、これは就活強者の勝ち方です。
真に受けては破滅を招くと個人的には感じます。
大学生を普通に過ごした平凡な就活生が準備をせずに臨むと痛い目にあいますし、そんなありのままの自分を受け入れてくれる企業はろくなところではないでしょうから。
準備をせずに様々な企業から受け入れられる就活生は、学生時代に自然と意識高く行動していたから、という認識を忘れないようにしましょう。

高校生の頃の「俺、全然勉強してないわ」と言いつつ普通に勉強していた奴らを思い出してくださいね。
特に就活の戦略については、就活無双した人の生存バイアスがかかるので特に。
「わざわざ極一部の優秀層の戦略を真似しなくても、平凡には平凡の勝ち方があるんだよ。」という内容をこちらの記事で語っていますから、読んでくれたら嬉しい。

具体的な深堀り対策(自己分析にも繋がる)の例を挙げる
4つ。
ESに自分自身で「なぜ?」を書きまくる
恐らく、面接での自己PR及び志望動機はESが土台になっているでしょうから、自分の書いたESに対してひたすら深堀していく事で、深堀り対策、自己分析にも繋がります。
ここで気を付けて欲しい重要な事。

実際に書いて欲しい。ただ眺めていても得るものは少ないから。
これは自分の経験談からなのですが、頭の中でこねくり回していても質の良い深堀りには至りません。
よくある「わかったつもり」です。死ぬほどわかりやすい参考書を読破しても、練習問題を解いたら「あれ?ここってどうやるんだっけ?」ってなるのと一緒。
実際に紙に書くことで自分自身の論理的な考えを体系化することが出来ます。
わざわざ紙と表現しましたが、wordで丁寧にタイピングするよりも、書いたESを一旦wordに移して行間を開けてA4いっぱいに印刷し、そこに殴り書きした方が、アイデアや論理構成が捗るから、おすすめ。
突っ込み方ですが、例えば自己PRなら
なぜしたのか。
別の観点はなかったのか。あるなら、なぜそれではなく、こちらの観点から考えた(行動した)のか。
(チームで行動したのなら)反対意見はなかったのか。
葛藤はあったのか。苦労はあったのか。
志望動機なら
なぜこの業界なのか。企業なのか。別の企業では駄目なのか。
どうしてその仕事でなくてはならないのか。
具体的には何をしたいのか。
ここら辺が着眼点でしょうか。
エピソードや志望動機によって無数に着眼点があるはずですから、あんまりここで挙げたテンプレートに縛られずに、とにかく突っ込まれそうな点は全て消化していきましょう。

「どう突っ込まれるか」それを考えるのが就活生の仕事です。頑張って。
先輩やキャリアセンターの人に見てもらう
いくら自分では「限界まで突っ込みまくった」と思っても、一人称目線からのみでは限界があります。
例えばサークルについて語るのであれば、そのサークルに所属していない人に見てもらうと、より客観的な気付きがあります。
自分は、全く違うコミュニティに所属する先輩に見てもらった際に、内面的な深堀りではなく、専門用語に関する質問が多い事に気が付きました。
このまま面接に臨んだとしても、背景知識の説明に貴重な時間を割かれてしまい、自分の内面を知ってもらえないと感じたため、正確性よりもわかりやすさを重視してエピソードを構成し直しました。
特に、理系で研究内容について話す場合は、つい専門用語を使いがちなので注意。面接官が理系でも専門外だったら、ほぼわかりません。
ちなみに、同級生にお願いするのも悪くはないのですが、冷静に考えれば受験生に受験勉強の仕方を聞くのと一緒ですから、するとしても既に内定を貰っているような明らかに優秀な学生にお願いしましょう。

やはり、先輩や、特にプロであるキャリアセンターの人にお願いするのが安定かも。
何回も音読する
音読の効果に関しては、先ほど挙げたこちらの記事で語っています。

とにかく、音読は良質なインプットとアウトプットに繋がるので、深堀りに対する回答にも、何回も音読して身に染み込ませるのがおすすめ。
あえてわかりやすい突っ込みどころを用意し、面接官の質問を誘導する
先ほど、
なぜしたのか。
別の観点はなかったのか。あるなら、なぜそれではなく、こちらの観点から考えた(行動した)のか。
(チームで行動したのなら)反対意見はなかったのか。
葛藤はあったのか。苦労はあったのか。
等の視点から「深堀を予測しろ」と述べましたが、実際問題、かなりのバリエーションを用意する必要がある上に、必ずしも用意した質問が飛んでくるわけではありません。
また、予想していなかった観点から一度でも深堀がしてしまうと、そこからの深堀が別の方向に飛んでしまいます。
歯車のように関連し合っているので、もし初っ端から想定外の質問が飛んできた場合、

全体的に辛い。
だからこそ、
という、かなり高等(だけど凄く効果的な)なテクニックを紹介したい。
面接官は1日に何十人の面接をしている訳ですが、正直に言えば、彼らは大学生と変わらず「眠い」「帰りたい」「つまらない」と、時には思ってしまうはず。人間ですから。
自分に置き換えて想像して貰えば理解できるかもしれませんが、全受験者の一字一句の言葉の隙間から鋭い質問を導くのは、いくら優秀な面接官でも不可能でしょう。
先ほど具体例として挙げた

イベントの参加希望者が多かったため、△△、□□という基準点から、参加者を絞りました。
という例ですが、冷静に考えればほぼ確実に

なぜその基準点を選んだのか。

その結果チームは納得したのか。
という質問しか出来ないじゃないですか。
こういう事です。だからこそ、基本的には予測できる深堀りに対して完璧な回答を用意しておけば済むのです。省エネです。
そして、自分は意図的に、1往復で基準点を選んだ背景の全てを語りませんでした。
なぜなら、1回で全てを語ってしまっては、2回目、3回目の深堀りで重箱の隅をつつくような質問が飛んでくるから。

そこで面接官の納得のいく回答が出来なければ、墓穴を掘るようなもの。ペース配分も大切です。
1回の受け答えで完璧に回答してしまっては

…(完璧な回答されたわ…でも、何かは質問しなくちゃ間が持たないからなあ…てかそれが仕事だし…どうしよう…)
の結果として、意図のわからない、重箱の隅をつつくような質の悪い質問の連続という負のスパイラルに陥るので、お互い何が聞きたいのかわからないまま消耗した挙句「回答が論理的じゃないから」という、勝手に難しい質問をしておきながら理不尽な理由で落とされかねません。

あえて突っ込み所を露骨にすることで、自分に有利なフィールドを作ろう。
面接で深堀りされない場合は、構成を1から組み立てなおす必要もある
たまに「深堀りされない」事で悩んでいる人もいるかもしれません。
背景には4パターンあると考えます。
- 受け答えが完璧すぎて、それ以上の質問が無い(+評価)
- 突っ込むまでもなく自明である(+評価)
- 面接官が頑張っても浅い質問しか出来ない(–評価)
- 興味が無い(–評価)
2がわかりにくいはずなので説明すると、例えば

△△という強みを活かしたいのでこの業界を志望しました。
と、通常なら面接官は

なるほど。ではその強みは、具体的にはどの場面で活かせると考えたのですか?(この子の仕事に対する認識は合っているかな?)
と聞くべきところを

なるほど。(確かにその強みを自覚しているならこの業界が合っているな。)
と、面接官の中で自己完結してしまっている状況。
相当、あなたの強みと業界が欲しているものが一致したのでしょう。この場合は、面接官が完全に腑に落ちているケースですから、深堀り5回に耐えたのと同等レベル、問題ないはず。
1と2は特に問題が無いのですが、3、4に関しては注意が必要。
「予定よりもかなり短かったぞ」という面接が連続で続き、しかも落ち続けた場合は、自己PRや志望動機を1から組み立てなおす必要もあると思います。もしくは下手に1から構成するより0からの方が良いかもしれない。
この背景には恐らくですが、
- エピソードが抽象的過ぎて面接官から質問が浮かばない(から⇒浅い質問しか出来ない)
もしくは
- 面接の途中だが、既に不合格と判断が下された(から⇒興味が無い)
が挙げられるかと。
どちらにしろ、アピールする点や受け答えがずれている証ですから、根本的な部分を修正していかなければ厳しい戦いになるでしょう。
一度で良いので、先輩やキャリアセンターで面接のフィードバックを受けてみてください。