錦糸町というイケてる街について
たまたまAmazonを徘徊していた際に目に飛び込んできた。
錦糸町の1駅先、スカイツリーの最寄りである押上駅に住んでいる自分は、いつの間にか3巻全て注文していた。それほど、錦糸町という街には言葉では語れぬ魅力がある。ちなみに、好きな街ではあるが、住みたくはない。
住むなら押上駅。ソラマチ愛が溢れ出してしまった記事はこちらから。

押上民としてはやや悔しいのだが、錦糸町という街、実は都内でも屈指に便利である。
- 半蔵門線
- 中央線総武線各停
- 総武線快速
の3路線が通っており、大手町、渋谷、表参道、新宿、東京、秋葉原まで1本で行ける。
乗り換えも含めれば、都内どこでもスムーズに行ける。「to錦糸町駅」の終電もかなり遅くまで出ている。
商業施設も多く、駅前のテルミナ、北口にはアルカキット、オリナス、南口には丸井、2019年にパルコがリニューアルオープンしたばかり。飲食店だって無数にある。駅前にドトールが4店舗もあるのは、錦糸町以外に知らない。押上駅に1つ寄越せ。
北口の錦糸公園はいつも子供が遊んでおり、春になると花見客でいっぱいに。総合体育館はかなり綺麗で、プールやトレーニングルーム、バドミントンコートも利用可能。区が運営しているから安いのに民間と変わらない設備。
いいところはいくらでもあるのに、「治安」という一言でダメダメになってしまう可愛そうな街。
錦糸町は、北口と南口に分けて考えるべきである。
錦糸公園がある北口は、全然治安悪くないと思うのだが、南口が酷い。歌舞伎町と同じくらい治安悪いんじゃないかと個人的には思っている。
漫画でも描写があったが、南口駅前では「ぼったくりイヤイヤ音頭」が流れている。
これが流れているのは、知る限り、錦糸町と新宿歌舞伎町のみなので、錦糸町南口の治安の容態が伝わるであろう。凄く耳に残るので、お風呂で鼻歌を歌ってしまう事も。「バーニラバーニラ」に通じるものがある。
南口は、ウインズ(場外馬券売り場)、キャバクラ、フーゾク、ラブホテル、ぼったくり居酒屋のキャッチのお兄さんでカオス&カオスしている。また、ハプニングバーもある。都内でも、新宿、上野、渋谷、五反田くらいにしかない。池袋にすらないのに錦糸町にはあるのだ。
2019年にリニューアルしたばかりのパルコも、空調設計をミスったのか、1階はウマミバーガーのパテを焼く匂いが充満している。

ウマミバーガーに近いマークジェイコブスで買い物をすると肉の香りが凄い。店員だったら気が狂いそうだ。こういうところだよ、錦糸町。
小奇麗が間に合わなかった街。言い得て妙だ。
少なくとも、駅前はディベロッパーが頑張って開発していたと思うが、道路一歩挟んだ通りは、そもそも小奇麗にするという発想さえなかっただろう。したいとも思っていないと思う。
錦糸町ナイトサバイブのレビュー
あらすじは、
というドタバタ物語。
「錦糸町ナイトサバイブ」は単行本で3巻完結済みなので、気軽に読める。
錦糸町、ナイト、サバイブというパワーワードからは「ウシジマくん」みたいなシビアな世界が描かれると思うかもしれないが、中身はシュールでテンポが良いギャグマンガであるから安心して欲しい。
胸糞悪くなる展開もなく、登場人物は皆癖が強いが、良い人ばかり。人は死なない。代わりに歯が生き返る。
要素の割合としては、こんなイメージ。
とにかく、シュールなギャグの合間に歯の知識が詰め込まれている。というか、読者に詰め込む。
どういう歯ブラシ選んだ方がいいのかとか、実は僕たちがイマイチよくわかっていない歯周病の事とか、何かとタメになることを図解でわかりやすく教えてくれる。
ギャグのクオリティとテンポが良いので、気付いたら全巻一気に読んでしまっていた。作者は教養とユーモアに溢れた素敵なお姉さんなんじゃないかなと勝手に思っている。
錦糸町成分は思ったほどなく、錦糸町に全く馴染みのない人でも楽しく読み進められるはず。マルイのタピオカとか、押上のもつやき稲垣とか、知る人は知っているが、物語には全く影響しない(要所要所で小ネタをぶち込んでくるだけ)ので、東京に1回も来たことが無い人が読んでもOK。(というか、地元民でも「あ、そんなのあったのね」となる場面も)
キャバクラ要素はかなり弱めで、「設定上、キャバクラという題材も詰めました」くらいの印象。
最終話の最後のコマは、「錦糸町で一番スカイツリーが綺麗に写るスポット」だと確信している場所なので、「作者わかってるじゃん」とニヤニヤしてしまった。
セトウツミとか、シュールでテンポの良いギャグマンガが好きな人なら、非常に楽しめる名作だと思う。
作者(松田舞さん)の新作が出たら、間違いなく買う。
全3巻だし、少しクスっとしたい時に読んでみてはいかが。
後、このマンガ読んだら、歯磨きはしっかりしようね。
