FOLIO(フォリオ)というテーマ投資ロボアドバイザーは魅力的だが、あえて良心的な手数料やIPOによる不安材料を挙げてみる

ABOUTこの記事をかいた人

東京で一人暮らしをする早稲田大学生。来年からSE。
一人暮らしで得たライフハック、株やお金、ビジネスに関する話題が得意。特に就活に関して自信あり。レビュー記事以外は6000字以上が多いのでお時間がある時にどうぞ。

スポンサーリンク













FOLIO(フォリオ)というテーマ投資ロボアドバイザーをわかりやすく分析する。株の初心者にも魅力的な証券会社

2017.10.09
この記事で述べたように、テーマ株投資のFOLIOは「堅いイメージの株式投資を、今時のデザインとユーザー目線によって変える存在」として非常に魅力的。とはいえ、懸念材料も。3つの軸で考えていきたいと思います。

収益性

これは運営側の収益性の問題です。

FOLIOでテーマを売買する場合、売買代金の0.5%(税抜)が手数料として発生します。

単元未満株取引としては業界最低水準との記載がありますが、控えめに言っても間違ってはいません。

テーマ株と性質が似ている投資手段としては「投資信託」が有名ですが、手数料が低めだと言われているネット証券会社経由でもぶっちゃけ高いです。それだけでなく、売買手数料や信託報酬など謎に分かれて設定されているため、非常にわかりづらい。ちなみに信託報酬とは「あなたの運用額に対して年率何%を貰いますね」というもの。あくまで運用額に対する手数料であり、利益が出たらではない。マイナスになっても、もちろん持っていかれる

証券会社は手数料収入が大きな収益源ですので「高い手数料をいかにして高く見せないか」を追求していった結果、このように複雑になってしまったのでしょうね。一部のアグレッシブすぎる対面型の証券会社の場合、一番大切な手数料の話をさらっと済ませたり「もはや、お年寄りを狙った詐欺師だ」とネットで揶揄されることも。

賃貸を借りるときも

家賃の安さで釣られたら、共益費やら契約更新料やら鍵代やら…意外とかかるやないかい

なんてことありますよね。

 

その分、FOLIOの運営は非常に透明で紳士的

なぜなら「売買時に、この手数料がかかります」という簡明な説明のみで済むのだから。

 

がゆえに、果たしてFOLIOは会社として利益が出るのかという問題があります。

ただでさえ手数料が割安であるうえに、テーマ株投資という特徴が収益の幅を狭めているのです。

 

女の子

 

皆さんはデイトレーダーという言葉を聞いたことがありますか。

女の子
なんか一日中パソコンに向かって売ったり買ったりを繰り返しているイメージ…

だいたいは合っています。

彼らは一日に何回も売買を繰り返すので手数料がそれなりに膨らみます。つまり、証券会社にとっては収益源でもあるんですね。

 

一方、FOLIOは「運用期間の目安は1年~」と多くのテーマ株に記載があるように「頻繁に売買を繰り返す性質ではない」のです。

売買が行われなければFOLIOは会社としての収益が得られない

 

もちろん、定期的にリバランスをアドバイスする(時間が経って株価に変化があったので、例えばA社を少し売りB社を買い足すことでポートフォリオのバランスを整えた方が良いですよ、のような内容)とのことで、そこで多少は売買が発生することが予想されますが微々たるもの。

そもそもFOLIOの作りとしては、投資に抵抗感を持つ初心者がメインターゲットなはず。大口(大金持ち)がFOLIOを利用するというイメージは正直、今のところはつきません。

  • 小額投資がウリ
  • 大口の参加者が少ない
  • 売買頻度が少ない
  • 信託報酬、つまりは運用しているだけで会社が貰える手数料がゼロ

という性質が揃ったときに、果たして利益が出るのか。

それは会社としての存続の不安にも関わります。

ここで「倒産したらお金が返ってこないんじゃ」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、証券会社は「利用者の株や口座預金に手を付けてはいけない」という旨が金融商品取引法で義務付けられているので、そこは安心してください。銀行が倒産した場合は預金のうち1000万までしか返ってこないので、証券会社に預けておいた方が安全と考える人もいます

そして、次に述べる「上場による株主との利益相反問題」にも繋がってくる可能性もあります。

上場による株主との利益相反問題

この項目は投資経験や財務知識がないと全く理解が出来ないと思います。

実際にテーマ株を買う上で知って欲しい項目は最後ですので、よほど物好きな人以外は普通に読み飛ばしてください

後日、FOLIOの甲斐社長の「ICOを目指す」という発言が対談記事に掲載されました。予想は的中しましたが考え方の共有のために残しておきます。

さて、FOLIOは2016年3月と2017年2月の2回、計6社(ジャフコ、マネックスベンチャーズ株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、Rakuten FinTech Fund、DCM Ventures、Draper Nexus)から合計21億円もの資金調達を実施しております。

もちろん証券会社を立ち上げるにあたって、例えばwebメディア事業を主とするベンチャー企業と比較すると多額の資金調達が必要なのは言わずもがなですが、それにしても未上場の株式会社の調達額としては大きな案件です。

当たり前ですが、ベンチャーキャピタルはイグジットをしなくてはなりません。

イグジットの手段としては大きく2つあるでしょう。

  1. M&A(バイアウト)
  2. IPO

これは完全に個人的な考察ですが、恐らくイグジットの手段としてはIPOが濃厚ではないか。

考察を補う根拠が2つ。

1つ目の理由は、複数のVCが関与するケースで後腐れなくバイアウトが可能か、ということ。

FOLIOに投資した企業は計6社。もしM&Aでイグジットするなら、このうちのどこか1社が買収するか、6社が納得する額で別企業に受け渡すことになります。今回関与している6社はベンチャーキャピタルですので、ぶっちゃけ証券会社を抱えていても仕方ありません。投資事業だけでなく多角事業化を目指しているならまだわかりますが、少なくとも現状の6社の経営方針的に無い気がします。もしマネックスグループが将来のライバル企業を買ったところで、システムは違う、客は取り合い、全く親和性がない

この6社以外に受け渡す可能性について。既に21億円という多額の投資を受けた大規模の案件ですので、相当体力のある大企業でないと買収は無理でしょう。リスクを冒してまでも、証券事業に参入する会社があるかどうか。また、テーマ株投資という特殊な形式ですので、買収した会社がFOLIOの経営方針にちょっかいをかけてもポンコツになるだけな未来が見えています。

2つ目の理由としては、似たような投資案件がIPOを選択していること。

例えば仮想通貨取引所を運営するbitFlyer社は約30億円の調達。ある求人サイトに「財務募集、IPOに関わるチャンスです」みたいなことが載っていたので、完全にIPOでのイグジットかと思われます。転職等の求人サービスでお馴染みのビズリーチ社は「主幹事証券会社の選定作業に着手」という記事が出ていました。家計簿管理のマネーフォワード社は、かなり多くの会社からの投資を受けていましたが、2017年無事上場を果たしました。

つまり

  • 調達資金が大きい
  • 投資している会社が複数

のケースでは、IPOでのイグジットの可能性が高いのでは、と個人的には思うわけです。

 

では、IPO、つまり新規上場がどのような問題を孕んでいるか。

それが「株主との利益相反問題」なのです。

 

上場をすると不特定多数が株主になります。会社は株主を選べません。ベンチャーキャピタルは「彼らの事業の将来性」に投資している以上、ある程度の理解と配慮があったかもしれませんが、いざ上場すると株主総会では当然の如く「利益を出せ」と言われます。株式会社は株主のものである以上、社長よりも株主が偉いのです。FOLIOの経営陣は先程述べた多額の資金調達の結果、割合的に言えばそこまでの株は持っていないはずでしょうし。

ところで、「利益を出せ」の行間を補ってみましょうか。

投資家
(会社の主収益である、取引手数料を増やして)

利益を出せ

更に深読みすると

投資家
(今まで以上にリバランスを促す通知を増やすことで)

(会社の主収益である、取引手数料を増やして)

利益を出せ

これが行き過ぎると

投資家
(もはや利用者の利益なんてどうでもいいから過剰なまでに)

(今まで以上にリバランスを促す通知を増やすことで)

(会社の主収益である、取引手数料を増やして)

利益を出せ

となる訳です。

経営陣としては理念や信念もありますし「利益も追及するが、それ以上に利用者目線でリバランスのアドバイスをすること」が理想。一方で、このような短期目線での要求をしてくる会社が株を大量保有する可能性がある、という懸念は避けられません。

FOLIOが誠実な手数料を提供している反面、その反動が上場と共に押し寄せる、かもしれない。

この問題が確実に起きるとは限りません。むしろ可能性としては低い方だと思いますが、頭の片隅に入れておきたい問題です。

テーマ株の差別化

利用するにあたって今一つ魅力を欠ける点がこれ。

割とテキトーに抽出した4つのテーマ株の株価の推移を比べてみましょう。

↑カジノ解禁

↑シェアリングエコノミー

↑リニア新幹線

↑世界シェアNO.1

 

どのテーマ株もほぼ日経平均株価に連動していることが理解できますか。

FOLIOのポートフォリオは時価総額が非常に大きい企業で構成されており、そもそも日経平均株価の算出に含まれている企業も多く選出されている点が特徴的。

優しい評価すると、安定型方針

厳しい評価をすると、テーマ株らしさが全く出ていない

人によっては、ただのTOPIX連動型の投資信託という表現をするかも。

 

勝手ながらここで自分の理想を述べると

  1. もう少し時価総額の小さい企業でテーマを構成する
  2. アメリカや中国、シンガポールの企業もテーマに含める

この2点の工夫により、FOLIOの提供するテーマ株の差別化が図れるだけでなく、他の企業には及ばない相当魅力的なポートフォリオが生み出されるのではないかと考えています。余計なお世話ですが。2番目に関しては、FOLIOの甲斐社長がtwitterや記事で「次第に日本株以外もポートフォリオに入れるつもり」との旨を示唆していましたので、可能性としてはなくはないかなと。

最後に

ここまで割と厳しめなことを書きましたが、率直な気持ちとしてFOLIOは魅力的です。株式投資に革命を起こす可能性が十分にある会社なだけに、色々と勝手にお節介を焼いてしまいましたが、この先の運営も随時追っていきたいと思います。

 

スポンサーリンク










ABOUTこの記事をかいた人

東京で一人暮らしをする早稲田大学生。来年からSE。
一人暮らしで得たライフハック、株やお金、ビジネスに関する話題が得意。特に就活に関して自信あり。レビュー記事以外は6000字以上が多いのでお時間がある時にどうぞ。